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福井の探鳥地  020 八幡山・兎越山


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見どころ
市民の憩いの場である足羽山とあわせて足羽三山と呼ばれる。八幡山は標高131mと足羽三山の中では最も高く、一方で兎越山は82mで最も低い。どちらも足羽山と似た野鳥を観察できるが、八幡山では稀にアカショウビンやハギマシコ、兎越山では稀にカワセミやニュウナイスズメなど足羽山では記録のない野鳥も確認されている。八幡山は急峻で登り坂がきついが、車の通行はほとんどなく探鳥に集中できる。一方で兎越山は山頂に墓地やホテルがあるため車の通行は比較的多いが、傾斜がなだらかなのが嬉しい。八幡山と兎越山は互いに隣接しており、両山を縦断することも可能だ。日によって山を変えて探鳥するのも面白い。
おすすめポイント
どちらの山にも3カ所ほどの登り口があるが、八幡山は豊小学校脇からくねくねの道を登り、展望台まで行くルートがおすすめだ。ヒヨドリやヤマガラ、イカルなどのおなじみの野鳥に加えて、春秋の渡りの季節にはコマドリ、ムギマキなどの目を惹く種類が現れ、木の実をついばむイカルの群れにコイカルが混ざっていたこともある。尾根道ではスズカケノキにマヒワが群がり、道ばたのやぶからはアオジが飛び出す。展望台付近ではカラスザンショウなどの実のなる木にキビタキやオオルリ、マミチャジナイなどが渡りの途中の栄養補給に集まり、上空にはオオタカやハヤブサが姿を現すこともある。兎越山はおさごえ民家園側の山頂広場から亀の井ホテル(きゅうかんぽの宿)を越えて、出雲大社の方まで行くルートがおすすめである。山頂広場では視界が開けているため野鳥を探しやすく、木の梢に止まるカワラヒワやサンショウクイが見やすい。ホテル周辺ではコナラの林に多くの野鳥が見られ、時にはカワセミやブッポウソウが現れたこともある。八幡山同様、シジュウカラやコゲラ、エナガ、メジロなどは一年中見られ、初夏の朝方にはキビタキやサンショウクイ、ヤブサメのさえずりがにぎやかに聞こえる。冬は葉を落とした木に止まるアカゲラや、道の脇で餌を探すルリビタキを期待したい。春先から夜にはフクロウの鳴き声が聞かれる。
よく見られる鳥
通年:ヒヨドリ、メジロ、ヤマガラ、イカル、コゲラ、ハシブトガラス、ハシボソガラス
渡り:マミチャジナイ、エゾビタキ、ムギマキ、オオルリ
初夏:キビタキ、ヤブサメ、サンショウクイ
秋冬:マヒワ、シメ、アオジ、シロハラ
フィールドノート
2018年に実施された福井市自然史博物館の調査では1年間で八幡山で39種、兎越山で34種が記録されており、これまでに八幡山で71種、兎越山で56種類が確認されている(2021年時点)。
道草メモ
両山とも早春に咲くカタクリやショウジョウバカマが美しい。ギフチョウが目の前を舞うことも。また眺望も最高で、八幡山では展望台までの道から南方向に田園風景や文殊山などが一望でき、兎越山は山頂のホテル周辺で福井市街地を一望できる。